あの人と私は多くの面で価値観が似ています。
買い物なんかは意見の相違があまりないので、けっこうスムーズ。家具を選ぶのもラク。これまで大金を使って一緒にした買い物は10年前に買った家。お互い足を入れた瞬間に「この家だ!」と感じました。
が、音楽の趣味が少し違う。
クラシックを聴く家庭で育ったあの人は、チャイコフスキーやベートーベンの起伏に富んだドラマチックなオーケストラ。ジャジャジャーン♪♪、そこでシンバルがガーッと鳴って、ドラムがドンドンドン~とクライマックスに達するような曲。私はバロックやバッハのゴールドベルグ変奏曲をゆったりと聴くのが好き。あの人にしてみたら、バッハは平坦でつまらないらしい。カナダの巨匠ピアニスト・グールドが奏でるゴールドベルグは「機械的なテクニック、もってのほか」とはねつけます。私が大好きなCDなんだけど。
子供たちも私に似てREMが好きです。ここしばらく車で聴くCDはREMだったのですが、先日、あの人に言われてしまいました。「最近、こればっかりだねぇ。キミはボクをREM嫌いにさせようとしてるのかな?」
車の中は閉ざされた狭い空間。あの人が車のエンジンをかける度にオーディオから流れてくるのがREMだとしたら、これって、まるでREMを使った密室での拷問みたい~と苦笑した私。
そんなあの人の昔から好きなロックバンドはジェネシス。あ~、またここで意見が合わない夫婦。頭のてっぺんから声を振り絞っているかのようなフィル・コリンズを見ていたら、なんだかこめかみの血管が浮き出てるのが見えそう。
でも、そんな私もジェネシスには一曲だけ好きなのがあります。コレだけは許せるってやつ。
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