Wednesday, November 23, 2011

Rest in Peace.

昨日はここバンクーバーから家系について少し書いてみた。その直後、日本からメール。短いメッセージを読んで、手と足が突然寒くなった。

少し前から、体調がふるわないことは親から聞いていた。それに、家元のちょっとしたニュースはテレビや新聞にすぐに書きたてられる。

そういう時が来るんだとは思っていたけれど、ついに来てしまったかという感じがした。子供の時から家元の話を聞いたり、手紙に家族写真などが同封されていて、写真では本当に普通の人だった。ただ、あんな有名人のプライベートの写真が我が家にあったというのも今考えたらおかしな話かもしれない。母親はいとこである家元夫人とたまに電話で話をしていた。

それにしても、最後までやってくださいました。勝手に自分で戒名なんか作って、「雲黒斎(うんこくさい)」だなんて。笑いをこらえきれない不謹慎なMacSaitoです。談志師匠、稀有に見る天才芸人でした。

結婚に際しては、「結婚したら別れるな」という祝電をいただいた。

あんな噺はもう聞けないと思うと、寂しいな。

家系

3年生の長男が、スクールプロジェクトで家系図を作った。

子供たちの民族的背景は英国と日本。英国と言っても、子供たちの苗字はコテコテのスコットランド系。夫の母親の家族はイングランドのマン島からカナダに渡ってきた。

この家系図、どう見てもサムライの影が薄い。ウィンブルドンとスコッチウィスキー優勢。

家系図に続いて、最近、こんな写真が手に入った。

これは子供たちの曾祖父のお墓。姓と名とミドルネームのどれをとっても、スコットランド人としか思えない名前。よくよく見たら、先妻と後妻の名前が描かれている。先妻は病死。夫の父親は、後妻の長男として生まれた。その夫の父親が生まれた時、ミドルネームとして先妻の旧姓を授かったという。そして手書きの家系図の作者である我が家の長男に私たちは、彼の祖父のミドルネーム、つまり先妻の苗字をミドルネームとして与えた。こうして我が家の長男には、ある意味であまり血縁のない人の名前が刻み込まれることになった。

にしても、こうして私は日本を去りカナダに渡り、夫の家族は英国からかつての植民地だったカナダに移民として渡り、めぐりめぐって我が家の3人の息子達が誕生した。さて、彼らが老齢を迎える時、いったいどこの地で、誰と一緒にいることやら。もちろん私はその時に生きていないので想像もつかないけれど。

「どうやら、じいちゃんの母親はジャパニーズだったって話だぜ。その頃は、ジャパンとカナダの間は飛行機で8時間もかかったらしいぞ」、はたまた「ボクの娘のミドルネームはフジにしたよ。フジは昔ジャパンで噴火した幻の名山なんだ」なんてことを、誰かが口走っていたりするのかな~。

Monday, November 14, 2011

セブンイヤーズ・イン・チベット

さて、何ヶ月ぶりでしょう。この夏、日本のブックオフで本を多数購入。頭数が多い我が家は、成田-バンクーバー間のフライトで10個の荷物を運ぶことができました。なので、本も重さを心配せずにどっさり購入できたわけ。

大学生活も終わり、やっと読書ができるようになりました。つい最近読み終えた本から。

「すでにこの最初の出会いで私は、技術的な事柄に関する彼の才能に驚いた。一台の映写機を何の指導も受けずに--英語の説明書を彼は読めなかった--分解してまた組み立てるというのは、十四歳の少年にとってはまさに名人技と言わねばならない。こうしてフィルムが回りだすと、彼は機械設備がとどこおりなく動くのを大変喜び、言葉を極めて私の仕事を褒めてくれた。こうして私たち二人はいっしょに映写室に坐って、壁の覗き穴から画面を追ったが、彼は見るもの聞くものすべてが嬉しくてたまらない様子で、ときには思わず私の両手を取り、興奮して握りしめたりした。--こんなところは、世の常の元気のいい少年の仕草とまったく変わるところがない。」(ハインリヒ・ハラー、セブンイヤーズ・イン・チベットより)

その昔少年だったこの方は、最近日本を訪問されました。1989年にはノーベル平和賞を受賞されました。


バンクーバーに来られた際にも何度か講話を拝聴にうかがいました。ダライラマ法師に拝謁してみて、オーラって本当にあるものなんだと思ってしまいます。

心に刻んでおきたいダライラマ法師のお言葉を少しここに書きとめます。

●幸福というものは、既成ものではない。それは、自身の行いからくるものである。

●できることなら、他人に手を差し伸べよ。もしそれが無理だとしても、他人を傷つけることはするなかれ。

●他者を幸せにしたいなら、思いやりを心がけるように。そして自分も幸せになりたいならば、思いやりを心がけよ。

●愛と思いやりは必須のものであり、贅沢なものではない。愛と思いやりなしでは人間は存続できない。

●私の宗教はきわめてシンプルだ。優しさが私の宗教なのだ。

ちなみに、同題でブラピ主演の「セブンイヤーズ・イン・チベット」の映画は全然だめでした。原作とかなり違っておりました。