Thursday, December 08, 2011

99%の私

本日の朝日新聞に「日本の貧困率、過去最悪の16%」という見出しの記事があります。それによると、

「所得が少なく生活が苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」が、2010年調査(09年時点)は16.0%で、07年調査(06年時点)より0.3ポイント悪化した。18歳未満に限ると15.7%で、ともに、厚生労働省が貧困率を算出している1985年以降、最悪の水準になった。同省が12日公表した国民生活基礎調査でわかった。」

とくに、単身女性と母子家庭の貧困化が進んでいる。

だが、朝日さん、もうちょっと踏み込んで書いてよね~。今、ホットな話題なんだから。残念なことに、世界的な現象として、貧困化はこれからますます進むでしょう。言い直せば、貧富の格差はどんどん広まっていくでしょう。だから、この秋、世界各地で「占拠せよ」運動が巻き起こったわけです。ここバンクーバーでもテント村ができました。収入カテゴリーの裕福な1%に対し、もろ99%に属するMacSaitoはもテント村で一緒にプロテストに参加したいところでしたが、子供たちを路頭に迷わせることはできない身、なので、おにぎりとクッキーの差し入れを届けました。

貧富の格差が広がるということは高所得者と低所得者の収入差が広がるということだけど、経済協力開発機構(OECD)は、その原因の一つとしてグローバリゼーションを挙げている。朝日さん、ちゃんとそのこと書いてよね~。つまり、日本みたいな経済発展国はもろにその影響を受けている。日本で作ると賃金や原料が高いからって、製造工場を開発途上国に移してしまうってやつ。車の部品とか、精密機器、家電、コンピューター、アパレルなんか、みんなそうでしょう。だから、日本では中小企業が倒産して、リストラでがんがん人員カットされて、中間所得者が減ってしまった。自殺者も増えた。それで、低所得者層って、いくら頑張って働いても賃金が上がるわけじゃない。だけど、多国籍企業はグローバリゼーション(発展途上国で低賃金で労働者を働かせて、安い原料を使って経費を下げる。これが中国の公害のたれ流し、ブラジルの森林伐採となり、地球温暖化に拍車をかけている。)で利益は上がるわけだから、そういう企業のエグゼクティブは収入を増やして1%であり続ける。ボーナスだけでいくらだって?ふざけんな!

まっ、ここまではよくわかる世界の格差拡大とグローバリゼーションの関係なわけなんだけど、ここカナダのThe Progressive Economics Forum(プログレッシブ・エコノミクス・フォーラム)という有識者団体のサイトが一歩踏み込んだ分析をしてたのが面白い。それによると、貧困格差拡大にはグローバリゼーションも一理あるけれど、それよりも、公共政策の減少が大いに影響してるとのこと。さかのぼれば、1990年代に経済活性化のために始まった公共政策削減。つまり、1990年代の経済低迷で失業率悪化を防ぐために、雇用基準を緩和したこと。雇用率を上げるためには、不安定な雇用状態や低賃金も受け入れて働くようにしたこと。それにより、失業保険が削減され、税率引き下げが行われた。ここカナダでは失業保険が削減されたことにより、格差が広がることになったとそのブログは伝えている。例えば、1990年代まではカナダの社会福祉には北欧並みの70%もの税金で埋め合わされていたのが、今では40%まで低下。たしかに、MacSaitoの大学の学費も、州政府財源の教育への助成金が大幅にカットされたので年々やたらと上がり続けていた。しかも、奨学金だってそう簡単に出してくれなくなった。公立校への助成もどんどん少なくなってきたからと、今、バンクーバーの公立校では月に1度くらい学校が休校になる。そうすることで、教職員への賃金がカットできるって。これ、ひどすぎない!?医療費もどんどん上がってきている。救急病棟での待ち時間が5時間とか。それじゃ救急病棟じゃないって!?子供を預けて働きたい母親もたくさんいるのに、政府から認可された保育園の数は少ないし、入るのが至難の業。しかも、保育料が高いから、働きたくても働けない母親がたくさんいる。

失業者とか低所得者はいい仕事に就くために学歴をつけたいとか、就職に有利なトレーニングスクールに通うとか、そりゃあ夢はあるわけですよ。だけど、授業料が高いときて、おまけに公的援助も少ないので、そこで道がふさがれることに。つまり、貧乏人はどんどん貧乏になっていく縮図ってわけです。

ここまではカナダの話。だけど、日本がこの道に向かっていることは否定しきれないですね。TPPなんか始まっちゃうと、ほんと、先行き暗いなぁ。

なぁ。

なぁ。

なんか暗くなるなぁ。

だから、MacSaitoは黙っていません。今、声を上げなかったら、後々で後悔するから。で、MacSaitoはせっせと市民農園で自分の野菜を作っています。地物が一番。メキシコ産のアスパラなんか食べたくないなぁ。農薬は嫌いだ。

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