Tuesday, June 07, 2011

フード・インク

カナダではけっこう前に劇場公開になった「フード・インク(Food Inc.)」をやっと借りてきて見ました。

人間が生きていく上で不可欠な「食」の裏事情がよくわかるドキュメンタリー。牛肉や鶏肉、ファストフードの生産過程がよく見えて、自分の食生活を見直す良い機会になるでしょう。

小さい子供が3人もいる我が家では、ほとんど外食をいたしません。家族で外出する時は、ランチ持参で。おにぎりやサンドイッチ、チーズ、クラッカー、果物と水筒を持って出かけます。どんなに安くて便利でも、我が家ではファストフードを利用しません。安さの裏側に隠されているものがあまりにも怖すぎる。

例えば、ハンバーガー用の牛肉。アメリカでは消費する牛肉の国内での生産が及ばなくなり、コストの安い中米や南米の国から牛肉を輸入するようになったのは1950年代。輸入牛肉はアメリカで生産するより40%のコストカット。コスタリカではそのために熱帯雨林を伐採しなければならなくなりました。1950年代には総面積で62万ヘクタール以上もあった熱帯雨林が1978年にはそのたったの3割までに縮小。熱帯雨林をこれだけ大々的に伐採することによる環境破壊と環境汚染、そして長年小作農業をしてきたコスタリカの農民達は雨林伐採に伴い、仕事を失うだけでなく、自分達が食べる食料の生産を絶たれることになってしまいました。(出典:Global Problems and the Culture of Capitalism, Richard Robbins, 2008)

北米では、ファストフードのお店では英語を母国語としない非白人の移民達が働いてます。もちろん英語を母国語としない移民を雇うと、さらなるコスト削減につながります。そういう移民たちは使い捨て。辞めていけばまた別の移民を安く使えばいい。そして仕事で忙しい親は、家で食事を作る時間を省くために子供たちにファストフードのお店で食事をすまさせる。そんなことをしてるから、肥満児が増える。子供の糖尿病も増加傾向。ファストフードチェーンは利益さえ上げればいいのだから、消費者にどんな問題が起きたとしても構わない。どこまでも安いファストフードの裏にはこんな事情が隠されているのです。日本だってユッケ肉問題が起きたばかりだし、ヨーロッパでももやしから発生した大腸菌で大きな問題になってしまった。

子供を育てるようになってから、自分達の体内に何を取り入れているのかとても気になるようになったMacSaito。なので食べ物には気を配っております。だから手間隙かかっても食べるものはできるだけ自分で作る。食材もできるだけ近くから、物によってはオーガニックを使う。卵も抗生剤を打たれてない鶏の卵を買うようにして。中国産はボイコット!それにしても食料品のレベルを読んでるとまったく何なのかわからない品名が多いですね。日本語で「調味料」なんてうやむやにされたら、何が入ってるのかさっぱりわからない。

「安いから」と、海外からの食品や遺伝子組み換えに頼ってしまってはだめ。そのためには、日本も安全な土壌で農業を続けなければ。だから今、原発問題をきちんとしておかなければいけない。安心して体内に取り入れる食べ物を手に入れることは、私たちの権利なのだから。

「フード・インク(Food Inc.)」を見てから、「食」ということに関心がなく肉食の夫が、「せめて肉だけでもオーガニックに変えていこうか~」と言い出した。いいこと、いいこと。

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