Wednesday, July 04, 2007

グラニー登場




ロバート母がオタワから来た。って言うか、実は3日間の滞在を終えて、今日、旅に出たのだけど。

カナダ国内といっても、飛行機で5時間かかるオタワ、双子が生まれてからは私たちの足もと~んと遠のいた。昨年の散散だったトロントへのフライトの後、「もう飛行機には3年は乗らない!」と公言した私。ただ、そうなると家族となかなか会えなくなってしまう。とくに、成長する子供たちを見られないのがグラニーにしてみれば悲しいところ。なので、グラニーに来てもらうしかない。世界各地を旅して回ったロバート母には、たった5時間のバンクーバーへのフライトはなんのそので、今回もアラスカへのクルーズ旅行と引っかけてのバンクーバー滞在。世界中をさんざん旅した挙句、もう年だから旅は減らすと言っておきながら、今年はすでにメキシコとキューバ、そしてバンクーバーに来る直前はケベック州の北部に行っていた。

グラニーが到着する前に「おばあちゃんが来る」ことをケンに説明しておいた。ケンはこれまでオタワのグラニーには年に2回ずつ会っていて、日本のおばあちゃんには2度しか会ったことがない。先日オタワから来たロバートの2番目のお兄さんを「uncle Scott's friend」と呼んでいたケンだったので、おばあちゃんという人物をどうとらえているのか興味津々だった私。ダディにだってお母さんがいることを理解しているのだろうかと思ったりした。それに、ケンにはお年寄りとのふれあいの機会がほとんどないので、年のいった人にどう対応するかも見てみたいと思っていた。ところが、グラニーが到着するなりテンションが上がり、「you wanna see my bike?!」とか、「this is tomoki and this is noah!」などと、ものすごく社交的にグラニーに話しかけるケン。めったに会わない大人と、しっかりとコミュニケートできているケンに驚いた私とロバート。言うまでもなく、グラニーはとても嬉しかったようだ。我が家の子供を含めて16人の孫がいるロバート母ではあるけれど、ケンの次に年の若い孫はすでに大学生なので、久々の小さな孫とのふれあいに、かなり心温まった様子。

そんなグラニーが面白いことを言っていた。「これまで60年間言いたかったこと、とてもrudeなことなんだけど、ついに口にしてしまったのよ」という前置きで。今回泊まっていたホテルのロビーで、アメリカ人観光客に「オタワってどこなんですか?」と言われたという。そこでついにロバート母は「ワシントンってどこだったかしら?カナダ人にオタワはどこかって聞くのは、アメリカ人にワシントンがどこにあるのかを訊ねるのと同じことなのよ」と言ってやったらしい。フロリダ出身の牧師のその男性は、カナダに首都があると聞いて驚いたということ!カナダには州しかないと思っていたという。ロバート母が言うには、世界中どこに行っても外国のことを知らない観光客はアメリカ人しかいないという。そして、日本人に関しては「自分自身をきちんと持っている国民に見えるわね」と評する。なかなか辛口な意見を持つお義母さまにそう言っていただいて、「フーッ」と額の汗を拭った私。フロリダさんも悪い人ではなかったらしく、ロバート母も自分のぶしつけな言い方を彼に詫びたそう。ホテルのフロント係がその一部始終を見ていて、ロバート母に「見ていて笑いがこらえきれなくなりました。あなたは、カナダ人みなが言いたいことを代弁してくれたんですよ」と言い、罪悪感にさいなまれていたロバート母の気持ちも少しは和らいだらしい。カナダ人と話していると、ところどころでこういったアメリカバッシングが出てくる。もっとも、アメリカ人は教育のレベルの高い人たちも多いけれど、アメリカの外のことを知らない人たちがとても多い。カナダではカナダドルが使われていると知って驚くアメリカ人も多いんだから!

ロバート母も7人の子供を育てただけあり、かなり気骨のある人だ。80手前にして毎日ピアノを弾き、プールで泳ぎ、政治、宗教、哲学を語るのが好きで、自分の意見をしっかりと持っている。こういう人なので、そう簡単に人と和むことができない面も持ち合わせている。そんなお義母さまも、我が家の小さな子供たちが庭で土を食べたり、物を投げたりする姿を楽しくて仕方がないという表情で眺めていたのが印象的。

短かったグラニーの滞在が終わり、ケンは「オタワに行きたい」と言うようになった。最近のロバートの一番上と二番目のお兄さんのビジットも含め、私としては、ケンがこうしてダディのファミリー、そしてルーツに触れる機会ができたことに感謝している。今の状況では、子供たちを連れて日本への10時間のフライトを考えただけで頭がフラフラしそうだけど、もちろん、子供たちには日本にも家族がいること、日本とカナダが我が家の文化だということをたえず教えていくつもりだ。

それにしても、トモキとノアは、家族がとか文化が云々とはお構いなしで、いつでもどこでも、誰がいてもひっきりなしにおもちゃを投げたり壊したり。。。ケンのことが大好きなのに、おもちゃを触っては怒られて、可愛いからってつねられて、それでもけなげにケンについていくさまは本当にケンのおまけって感じ。

しばらくは、ケンがまだまだ我が家のエースでいそう。

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