Tuesday, August 07, 2007

つかの間の夏休みと、っていうか、馳星周

フーッ!ゆうべ遅くにリサーチペーパーを完成させる。でも、提出し終えるまではなんだか落ち着けない。今日から1週間の夏休みを終えてケンが幼稚園に戻る。今日からサマースクール第2弾だ。ケンもまた友達に会えるのを楽しみにしていたようだ。私はケンに家にいられたこの1週間、期末テストをこなしてペーパーもけっこう思ったように書くことができ、なんとかサバイブした!朝、幼稚園までケンを送る。バンクーバー市のストライキは相変わらず続いていて、おかげで我が家のゴミはカーポートに溢れているけれど、市のエンジニアリング部の職員が路上で道路工事をしていないので道路はスイスイ。ストライキのアイロニーってやつかしらん。

園に到着すると、なにやらいつもと様子が違う。いつも以上のチビ子達がいて、ビービー泣き声が響いている。そうだ、今日から新入園児が入ってくるのだった!いつもは開け放たれている教室のドアが、ママ恋しさに逃げ出そうとしている子供達が出られないように閉ざされている。これはすごいことになっていると他人事のように思いながら、1年前ケンが幼稚園に入った時のことを思い出して少し笑ってしまった私。この1年でいろんな面で成長したケン。英語・日本語はペラペラだし、おしっこも一人でできるようになったし、小さい子へのいたわりもできるし、いつの間にか押しも押されぬ我が家の頼もしい長男になってくれた。

ケンを幼稚園に送ってから、私の大学への旅が始まる。バンクーバーの西の端からバーナビーの大学キャンパスまでは本当に「旅」というのがふさわしい!今日は趣向を変えて、メインストリートに車を停めて、そこからバスでコマーシャルドライブまで、そしてスカイトレインとさらにまたバスに乗り継いでやっとこさでバーナビー山のキャンパスまでたどり着く。山は雨が降っていた!山の天気を甘く見ちゃいけないんだねぇ。それほど今日は時間に窮していなかったので、せめてもの環境保護への貢献と思って車を休ませることにしたのだ。それでも、メインストリートからの所要時間1時間。やっぱり遠い。秋からの講義はやっぱり車にしよう。公共交通機関がしっかり出ているというのに、私一人で車に乗って通学するのは気が引けるのだけど、節約できる時間を考えるとどうしても車になってしまう。子育てで忙しい今は、お金を払ってでも時間を買っているようなものだ。アル・ゴアのドキュメンタリー映画「不都合な真実」は、私やロバートみたいな素人環境保護家にはかなり訴えるものがあり、けっこう私もあちこちで環境保護につながる小さなエコ活動をしているつもり。でも、今はなんといっても「時間」を有効に使うことがストレスを減らす私達の生活のカギかな。

社会・人類学部のオフィスでペーパーを提出して、心が晴れた。といっても、今日はあいにく雨になってしまったのだけど。やったー、これから9月まで夏休み。マッサージに行って、ネイルサロンに行って、スパに行って、とことん有閑な暮らしをしよう!なんていうのは夢で、できるわけないじゃんね。バスとスカイトレインとバスを乗り継いでメインストリートまで戻り、それから車で家まで帰る。今日もあの二人はやらかしてくれました。家に戻ると、キッチンの床いっぱいにティッシュペーパーが散乱。電話台の横に置いてあったティッシュペーパーの箱にどうやって手が届いたか不思議。そしてもっと不思議なのは、こういうことは決まって私が家にいない時に起きるのだ。つまり、ロバートがあの二人を見ている時に。っていうか、ロバートは家にいて黙々とプログラミングをしているだけで、ベビーシッターなんか全然やってくれないからこーなんのね。超マイペースな夫。

昨日から馳星周の「ダーク・ムーン」を読み始める。バンクーバーが舞台の小説だというので、わざわざ姉にブックオフで買ってもらって送ってもらったのだ。ここ10年ほど小説への興味はさめてノンフィクション系しか読めなくなってしまったけれど、以前「不夜城」と「鎮魂歌」を一気に読み上げた私は、馳星周がバンクーバーが舞台の小説を書いたのなら読まないわけにはいかないと思って読むことにしたのだ。この小説もやっぱりスタイルは馳星周していて、最初から暴力、クスリ、セックスにあふれているんだけど、読み進めるうちに「これって、不夜城と同じ内容?結局、中国のギャングと悪徳警官がバンクーバーに舞台を移しただけ?!」という疑問が頭から離れなくなる。っていうか、完全にそうです。主役の日系カナディアンの刑事は金城武のイメージだし。おだやかなバンクーバーが、NYやLA以上に思える凶悪な都市に描かれていて(黒人は出てこないけれど。っていうか、馳さん、黒人のことはよく知らないから書けないんでしょうね。だから黒人の少ないバンクーバーがよかったんでしょうね。)、かなりハードコアなんだけど、現実とすごく違っているのでハードコア・ファンタジー(そんなのあるかって?)みたいです。バンクーバーに住んでる日本人、この本を読んだかしらね。

なんて言いながらも、っていうか、これからまた続きを読むことにして、今日はミッドナイト前にベッドに入れそう!

っていうか、って言葉、ちょっと使ってみたくなってしまった。最近、日本語が後退してる私。

2 comments:

orange said...

お疲れさまでした!
私はあと2日間で(一旦)サバイブします!

バンクーバーが舞台のハードコアって初めて聞いたかも。でも結局アジア系の台頭してる場所ってことでそうなったのでしょうかね~?

「っていうか」は私無意味に多用してしまう癖があるので(ひどい時には「っていうかっていうか~」なんてのも・・・)、綺麗な日本語を使うよう!心がけている・・・つもり。でもやっぱり後退気味・・・。

Anonymous said...

2日間で一気に読み上げました。とにかく「アンリアル!」としか言いようのない小説でしたが、ぐんぐんと引き込まれてしまいました。設定がバンクーバーで、内容は不夜城で、登場人物はいつもと同じでとち狂った悪徳警官、チャイニーズギャング多数、きれいなチャイニーズのお姉ちゃん、ひた隠しにしているゲイ、ってところです。「キル・ビル」日本語版といった感じもしないでなかったです。

そちらもとりあえず一息ですか?