Saturday, June 30, 2007

グラウス・グラインド




今日は2年ぶりにグラインドに挑む。

バンクーバー北部にはシーモア、グラウス、サイプレスの3つの山が東から西へ並んで連なっていて、グラウスはその真ん中の山。3つの山すべて冬にはスキー場になる。グラウスは夏はゴンドラが頂上へと出ていて、観光客のスポット。そして、ローカルはグラウス・グラインドというハイキングをやるのだ。この”グラインド”が、とにかく心臓破り。距離にして1キロくらいだと思うけれど、ひどい急斜で、一度歩き出してしまったら、ずーっと登ってばかりのステアマスター。かかる時間は、だいたい10キロをランニングするのと同じくらいと言われている。バンクーバーはウエストコーストだけあって、Vancouverites(バンクーバー人のこと)は健康志向がカナダ一なのだ。ウエストコーストはいいよー。ゲイが多くて、すし屋も旨い。日本も近い。と、話が脱線してしまいましたが。

ケンが生まれる前は私とロバートも、夏はドラゴンボートの練習のない日はグラインドに挑んでいた。仕事帰りにグラウスに直行し、友達と山の麓で待ち合わせて、6時くらいからグラインドを始める。ロバートは速いので40分ちょっとで頂上に着き、私は自分のペースで60分ちょっとで着いて、みんなが落ち合う。グラインドを終えて飲むビールはとにかく旨い。頂上のレストランでビールとディナーをして家に帰るというのが、私たちDINKSの楽しみだった。ケンがまだ赤ちゃんだった時は、ロバートが背中にケンを背負ってグラインドをした。最初のうちはロバートもいいトレーニングになってよかった。が、ケンが7ヶ月くらいの時は体重が重くなっていて、3/4過ぎでバテテしまったロバート。幸い、一緒に登っていたブライアンがバトンタッチしてくれてケンを連れて行ってくれて無事に頂上到着。私が最後にグラインドをしたのは、2回目の妊娠がわかった少し後のこと。まだ双子だということは知らず、グラインドを始めたけれど、とにかく体が重くて思うように動かない。お腹はそれほど出てなかったけれど、やっぱり妊娠してるとこんなにしんどいものなのかと思いながら、1時間20分のタイムにがっかりしたのを覚えている。あとで双子とわかった時には、なーるほど、あの散散だったタイムはこのためだったのか!と納得。

今日はウェンディとグラインド。彼女は両踵に水ぶくれができながら、水ぶくれ用の絆創膏を貼ってのグラインド。とにかくウェンディはガッツにあふれている。求める男性は頭脳明晰、顔と体はランス・アームストロングという、彼女自身バリバリの公認会計士なので、マッチメーキング好きな私も彼女には手を焼いている。あっ、そして自分より少し年下でなければならないって譲らないんだから、彼女、どーしようもない。そんな人、今時いないって。

で、今日のグラインドは、前回の双子妊娠中のリターンマッチのつもりで挑んだ私。1/4過ぎで時計を見る。まずまずのタイム。半分を過ぎたところで、あー、なんでこんな過酷なことをしたのだろうと後悔。いつものことだ。ここまで来てしまったからには、にっちもさっちもいかない。下に歩いて下りるのも面倒くさいから、とにかく登り続けるしかない。汗がだらだら流れる。人目も気にせずハァハァ喘ぎ、握り締めていた水のボトルで、ところどころで水分補給。日本人留学生のグループを通り越す。日本人はジーンズにスニーカー、おまけに重そうなバックパックまで背負って場違いないでたちでいるので、喋っていなくてもすぐにわかる。中国語、スペイン語、東ヨーロッパ系の言葉を話す人たちも多い。子連れの親もいる。8歳の男の子が父親とお姉ちゃんと一緒に登っていた。「ねぇ、この急な坂、死ぬ人が出ると思う?ここで自殺する人なんかいるのかな?」と無邪気に話しながら登っている。うちもあと5年もすれば、ケンができるかなと思ったりする。土曜の午後なので、ハイキングの間はひっきりなしに人が続く。3/4のサインを見たところでモーティベーションが少し上がる。もうちょっとだ、頑張らなければ!そして今日は61分のまずまずのタイムで、私の自尊心もめでたし、めでたし。ジム通いが功を奏したか。帰りはゴンドラでバンクーバーの街並みと太平洋を見渡しながらのんびりと。心拍数もかなり落ち着く。グラウス山では往復をゴンドラ利用の場合は20数ドル。グラインドをする人たちを考慮してか、片道だけ利用する場合はたったの5ドル。年間利用のできるパスを購入することもできる。一度やると、もう二度とやるものかと思うか、病みつきになるかの両極端なのがグラインドだ。

家に戻ると、大小さまざまな靴がバックヤードに散乱。キッチンにも靴が散らかっている。うちって、なんでこんなに靴が多いのだろう。ロバートが一人で3人の子守をすると、とにかく物が散らかる。子供たちが食べたランチのご飯粒も、テーブルの上と下にぼろぼろこぼれている。不器用ながらも子供たちと過ごす時間を楽しんだロバート。

3連休の1日を消化。あー、今日はよく眠れそう。

写真は、グラインドのゴールと、グラウスから見渡すバンクーバー、そしてゴンドラ。

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