Friday, September 24, 2010

オペレーティング・システム

私は完全に日本語環境。普段の生活は主に英語、子供たちとは日本語オンリー。頭の中はいまだにどっぷりジャパニーズ。メイド・イン・ジャパンはそう簡単に壊れない。

子供たちは親の希望と裏腹の英語環境になってしまった。ケンはこの頃、とっさに出る独り言がイングリッシュ。トモキとノアの双子も、二人でいる時の会話はほとんど英語。この国で暮らしているからいつかはそうなるとは思っていたけれど、日本人カーチャンはちょっと悲しい。これまでお金かけて日本語環境を作ってきたけれど、一番上の子が地元の小学校に入ってしまうと英語環境の拍車は後戻りできない。まず、一緒に遊ぶ友達が英語を話す。子供が一番好きな「遊び」で使う言葉が英語だと、それがどんどん強くなる。

そんな子供たちも私には日本語でしか話さない。「どうしてノアは3こグミをもらって、ボクは2こだけなのぉ~?」とか、「ボクのアイスクリームがトモキのより小さい!」とか、「ケンちゃんが行ったけどボクがまだ行ったことのないあの公園に行きたい!」とか。そう、日本語で言わなければオカーサマには要求を受け入れてもらえないことを子供たちはよく知っている。だけど、要領のいいノアはこの頃、「ママァ、あのねぇ、I wish I had more レゴのおもちゃだよ」とか、「このデイにどこ行くの?」とか、なんだかオペレーティングシステムがおかしくなってきている。うーん、ノアのハードドライブに40ギガくらい足さないと。

フレンチイマージョンの小学校に行っているケンの場合、担任の先生は子供たちにはフランス語でしか話さない。授業は全部フランス語。4年生になると少し英語の授業が入ってくる。それまではフランス語どっぷり環境というのがフレンチイマージョンだ。公立校でフランス語の教育をするところは英語とフランス語が公用語のカナダならではの特色だ。そのうち、中国語のイマージョンも開設する動きがあるらしい。フランス語の学校だけど、休み時間や友達と話すのは全部英語。たまにケンの友達が遊びに来ると、ふざけて会話がフランス語になったりしている。親にはわからない言葉を話して、二人でケラケラ笑ってる。この子のオペレーティングシステムは、容量を増やせば増やすだけ効果が出る。

我が家のあの人の場合、オペレーティングシステムは英語、、、じゃなくて数字。それとわけのわかんないアルファベットと数字のスレッド。彼はジャバとかC#とか、私がわからない言語を巧みに使う。それが彼の仕事道具。

すでに今学期の統計学の授業に行き詰まっているニホンジン。XとYの変数の相互関係の見出し方とか言われても、私にしてみると「パードン・ミー?」って感じ。統計用のソフトを使って世界でGDPの低い国の男性の平均寿命を算出せよとか言われると、「エッ、エッ?」と、コンピューターを前にして固まってしまうニホンジン。あの人の場合、そんなの鼻歌交じりでお茶の子さいさい。「こうやって、あーやって、ここで平均寿命を50と仮定して、それから国民純生産でフィルターかけて、、、ホラ!」ってな具合。マジックかと思った。

オペレーティングシステムが数字なので、人の名前と顔が覚えられないのがあの人の難点。私の友達の旦那とスーパーで会っても、以前会ったことを覚えていなかったなんて類の話はいくつかある。こんな人がセールスとかPR担当の仕事をしてなくてよかった~。やっぱコンピューターに向かってブツブツ独り言呟いてるほうが向いている。

5人家族の我が家。家族それぞれオペレーティングシステムが違っている。

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