Saturday, February 13, 2010

グレツキーと私

我ながら、今日のタイトルはいいな~と思っております。晴美さん、なかなか意味深なタイトルでしょ?

バンクーバーはオリンピック放送のため、日本から有名人がたくさん来ています。先日はお人形のようにきれいな荒川静香さんを見て、今日、嵐の櫻井君を見ました。

嵐の櫻井君、と気軽に言ってみたものの、私は友達が「アレが、アレが、アレが、櫻井君です~!!」と声を震わせて教えてくれなかったら見過ごしていたことでしょう。今、日本では嵐が大人気で、櫻井君のことは誰でも知ってると小学6年生の姪っ子に聞きました。私のニホンはなんせ10数年前でストップしているので、ジャニーズといえばスマップなんです。だから「嵐」がすごいブレイクしてると聞いた時には、「たしか、昔、横浜銀蝿ってバンドがあって、そのリーダーが嵐だったよな。あの人が今オジサンアイドルとしてカムバック?」なんて思ったのです。こんなこと言ったら、ニホンのティーンエージャーの娘さん達に殺されるかもしれないですね。櫻井君がバンクーバーに来るという話は知っていて、もしかしたらどこかで会えたりして、なんて少し楽しみにしていたら本当に見てしまいました。バンクーバーにすら櫻井君のファンクラブがあるとか。ジャニーズ系の情報にはまったく疎い私です。

それで、グレツキーと櫻井君、まったく接点がないので、ここから本題に入ります。

グレツキーと言えばカナダを代表するアイコン。これまでのホッケー選手の中で一番の名選手と呼ばれています。晴美さん、いいこと言いますね。トレバー・リンデンはバンクーバーの心のキャプテン。だけど、カナダのヒーローといえばグレツキー。グレツキーを知らないカナダ人がいたら、おそらくその人はもぐりです。。。そして、かくいう私が、一番グレツキーを知らなかった!

もうあれから10年たちました。2000年のNHLのオールスターはトロントで開催されました。このチケットは1枚2000ドル(約21万円)もの値がつきました。このゲームを見るために北米の至るところからホッケーファンがトロントに集まりました。いえいえ、北米だけでなく、日本からも。日本のNHLファンのご一行がオールスター観戦ツアーに来ることになったのです。そのツアーを企画したのは東京在住の私のボス。トロント出身のボスは、知る人ぞ知る、テレビでNHLのゲームを解説しているあの方です。彼も地元でのオールスター開催に日本のホッケーファンと来ることを楽しみにしていたのに、どうしても東京を去れない理由ができ、ある日突然私に「キミ、トロントに行ってくれないかな?」と白羽の矢が。

もちろん、「行きま~す」と軽く返事をした私ですが、ホッケーなんて未知の世界。初めてNHLのゲームを見に行った時「みんな、スケート上手だねぇ」と言って、まわりからひんしゅくを買った私です。そもそも、私がやっていた仕事はホッケーとは別世界で、ホッケーはボスの趣味と実益を兼ねてってやつ。私は軽い気持ちで日本のホッケーファンをオールスターの試合にお連れすればいいだけだと思っていたのです。

その後、バンクーバーの友達にトロント行きの話をすると、誰もが揃って「すっごい!」とか、「どうやってチケット取ったの?」とか、「羨ましい」、「キミってすごくラッキーだね」とか色々言われました。今から考えると、猫に小判というやつで、私はそういう友達からのリアクションに、なんだか大変なことになるんちゃうかと思ってプレッシャーが膨らんでいきました。

トロントに着いてからは、日本のご一行をオールスター関連のイベントにお連れし、ホッケーの殿堂に行ったり、往年の名選手とのサイン会に行ったりと、お連れした先々で皆さん喜んでというか、感動してくれました。それでも、「なんでこれが感動することなのだろう?」と一人思っていた無知な私。ゲームもさることながら、グレツキーがトロントに出したレストランに行きたいとご一行が言い、私達はオールスターで盛り上がる夜のトロントに繰り出しました。場所は、当時世界一の高さを誇っていたCNタワーすぐ近く。レストランに入ると、「ハセックがいる!」と大喜びのご一行。ハセックは当時のスター選手。そして、なんとオーナーのグレツキーも来ていました。その頃、グレツキーが誰かすら知らなかった私は、そのカリスマの存在にまったく気づいていませんでした。

テーブルに通されて、ご一行と楽しく話して飲んで食べていると、愛想のいいおじーちゃんが私達のテーブルに来て立ち話。ご一行はそのおじーちゃんが誰かすぐに気づきました。それはグレツキーのお父さんのウォルターさん(先日の聖火リレーも走りました)。おじーちゃんはとてもいい人で、長野オリンピックに行って日本の人達から大歓迎を受けたとか、日本はいいところだとかフレンドリーに話していきました。私は、いいおじーちゃんだなーと思い、ご一行はただ感激。グレツキー本人を見て、グレツキーのお父さんが私達のテーブルまでわざわざ来てくれたわけですから。

あのオールスターからちょうど10年。晴美さん、懐かしいですねぇ。私もあれ以来NHLのゲームを何度も見たし、ソルトレークシティ・オリンピックの男子ホッケー決勝「チーム・カナダ対アメリカ」のあのゲームが忘れられません。グレツキーは総監督として、観客席で大きくガッツポーズをとりました。

昨日グレツキーが点灯した聖火が、ここバンクーバーのオリンピック・メディアセンター横で煌々と炎を揺らしながら燃えています。一般人はその聖火を50メートルくらい離れたフェンスの向こうに立ってしか見ることができず、メディアセンターで仕事をしている私達は制限なしで、聖火台のすぐ側まで近寄ることができるのです。なので、今日はあの聖火台を触ってしまいました。役得ってやつで、すみません。小さいながらも消火器が置いてあります。

今日は上村選手が健闘しましたね。日本も応援し、カナダも応援し、イタリアもグルジアも応援しなければならない私は忙しいです。

今日のおまけはあの感動を再び。ソルトレークシティの男子ホッケー決勝です。試合がまだ続いているにも関わらず、すでに敵地の場内ではカナダ国歌「オー・カナダ」の大合唱。ここバンクーバーであの奇跡をまた見たいもの!!

2 comments:

Haru said...

「みんなスケート上手ねぇ」から10年。ブログにこんな素敵なタイトルが付くなんて、と感慨に浸っています。

Ms. MacSaito said...

それもこれも晴美さんのおかげさまです。ムードをガンガン盛り上げて来て下さいね!