Thursday, June 03, 2010

バイオリンの理解

目からうろこが落ちるメールをもらったので、今日はそれを掲載。


少し考えてみたいこと。



背景:
2007年1月のある寒い朝。ワシントンDCのメトロ駅。この写真の男性は45分ほどバッハの曲を6曲演奏する。この間、通勤客など約2,000名の人々がこの駅を利用した。

演奏開始3分後:中年男性がバイオリンを弾いてる男性に気付く。彼は数秒間足を止めるも、予定に間に合わせるためその場を立ち去る。

4分後:
バイオリン奏者はやっと1ドル受け取る。ある女性が足取りを休めず、彼の帽子にお金を投げ込み、そのまま歩き去る。

6分後:
一人の青年が壁にもたれてバイオリンを聴くものの、時計に目をやりまた歩き出す。

10分後:
3歳の男の子が立ち止まるが、母親が子供を急いで引っ張って行く。男の子はバイオリンの奏者を見るためにもう一度立ち止まったものの、母親に押されて歩き去る。その間、後ろを振り向きずっとバイオリンの男性を見つめている。何人かの子供が同じことを繰り返したけれど、その都度、親に急かされて歩き去る。

45分後:
バイオリニストは絶え間なく演奏し続けた。たったの6人が足を止めて、束の間、彼の音楽に耳を傾けた。約20人がお金を渡したものの、そのまま歩き続けた。バイオリニストは全部で32ドル受け取った。

1時間後:
彼が演奏をやめると静寂が戻る。誰も彼に気づかず、誰も彼に拍手を送らなかった。誰も彼が誰なのか認識しなかった。そのバイオリニストが世界で最も偉大な音楽家の一人、ジョシュア・ベルだということに誰も気がつかなかった。彼は350万ドルもするバイオリンで、これまで書かれた中でとても難しい曲を演奏したのだった。

その2日前、ジョシュア・ベルはボストンで、1席が100ドルもするホールを満席に埋めてこの日と同じ曲を演奏した。

これは本当に起きた出来事である。ジョシュア・ベルが身分を明かさずワシントンDCのメトロ駅で演奏するのはワシントン・ポストが企画した知覚・好み・人々の優先事項に関する社会実験だった。

この実験からいくつかの質問が考察された:
●公共の場所で、不適切な時間に、人々は美を認知するだろうか?
●もし認知することができるなら、人々はそれを堪能するために立ち止まるだろうか?
●人々は想定外の環境で才能を見出すことができるだろうか?

この実験から考察された可能性のある結果は次の通り:
もし人々が立ち止まって、世界で最も偉大な音楽家の一人が奏でる最も美しい楽器の演奏に耳を傾けることができないならば。。。。。

我々は人生を生き急いでいる間に、どれだけのことを見落としているだろうか?

皆さん、ちょっと立ち止まってみてください。何も考えずに周りに目をやってみてください。そうして3分でいいので、周りで行われていることに注目してみてください。床を熟視するのもいいし、空を見上げるのでもいいし、歩く人々を見つめるのでもいい。いろんなことが見えてくるでしょう。

このメールを読んで、少し涙が出そうになりました。

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