Sunday, May 13, 2007

グッドバイ・フォルスクリーク:パニック編

今日はロバートがフォルスクリークの家に修理・掃除へ。今後の予定は、月曜日に不動産屋が手配したフォトグラファーが来て、家の中の写真をとる。火曜日は、不動産関係者向けのオープンハウス、そして3連休の来週末は、一般向けのオープンハウス。多分、このオープンハウスの直後に、私たちの家を買いたい何人かの人からオファーが来て、その中から一番条件の良いオファーを私たちは了承することに。つまり、提示金額が一番高い人のオファー、ということになるわけだ。そのために、ロバートと私はこの1ヶ月ちょっと、家をいかによく見せるかということに専念している。すべては、ストラテジー(戦略)というわけだ。これまでの修理に5千ドルくらいかけて、家の価格は1万ドルは上がったと思う。だから、とにかくちょっとしたことでも見栄えを良くすることによって、すべてが値段に影響するのだ。

ロバートが向こうの家に行ってしばらくしてから電話が入る。壁を塗り替え、カーペットを張り替えるために取り外したバスルームのドアが、戻したがいいが閉まらないというのだ。カーペットが深く入りすぎて、その分ドアが閉まらなくなった、ちょっと今、パニッキーになっている、と言うではない。ロバートから「パニック」という言葉を聞いて、私も一瞬背筋に緊張が走る。超のんきでロジカルなロバートが感情を表す言葉を使う時は、ちょっとやばい。そして、DIYがまったくだめなロバートがこの難題を背負ってしまったことは、もっと悪い。本当だったら私もロバートと一緒に掃除・修理をしたかったのだけど、今日はベビーシッターが見つからず、私は家で子供たちとお留守番。かなり歯がゆい。そして、風邪気味の子供たちはみんなおしりもゆるい。今日はうんちのおむつを替えてばかり。しばらくして、また電話。スージーとダレンの救護チームが到着したという。これから3人でホーム・ディポに行って、修理に必要な物をいろいろ買ってくるという。それを聞いて少し安心した私。ダレンが来てくれると、だいたいのことはなんとかなる。あー、なんて素晴らしい友達なんだろう、とまたここで冷や汗を拭いた私。エンジニアにもいろんな種類がいるということをロバートと暮らしていて痛感する。ソフトウェアのエンジニアで、プログラムを作ることには一流のロバートも、家の修理となると、ろれつが回らなくなる。まずはDIY物の本を読んで、「説明の仕方が悪い、何を言ってるのかわからない。いったい、こんなライティングではボクみたいな一般の人間にわかりっこないじゃないか!」と文句を言って、バスタブの水漏れさえ修理できない。ある時なんか、それが元で、家中の水がストップしてしまい、挙句の果てには水道屋に来てもらって、このタウンハウス全体の9戸の水道栓をストップするという大がかりな修理に発展し、900ドルの請求書が来てしまった。ロバート曰く「ボクはこういうことの修理ができないけれど、その分金儲けができるからさぁ」と。900ドルあったら、けっこういい物が買えるんだけど~と目を覆った私。トホホ。

帰ってきた時には、いつも通りの落ち着いたロバート。スージーとダレンのおかげで、仕事もはかどったらしいし、to do listを見直して、優先順位をつけたらなんとかなるという結論が出たらしい。私はロバートがいない間、何軒かに電話をかけて明日のベビーシッター探し。レギュラーのナニーさんは都合が悪くて来れない。幸い、午後からクローディアが来てくれることになった。こういう時、バンクーバーに身内のない私たちは本当に友達に感謝。

とにかく時間のない私たち。だけど、そんな私たちにも切り札があった。今晩、オタワからロバートの2番目の兄が到着。国防省勤務のお兄さんは、月曜日からビクトリアで開かれるNATOの会議に出席するため、今晩私たちのもとに一泊し、明日、ビクトリアへ向かう。ロバートと私は、明日、ビクトリアに出発する前に、お兄様のお力を借りようと考えたわけだ。ルーフデッキを新築してくれたのは一番上のお兄さんだったわけだけど、このお兄さん曰く、2番目のお兄さんは自分よりもっと手先が器用と言っていた。なんてったって、このお兄さんは自分の家を自分で建ててしまったというのだから、バスルームのドアが閉まらないなんて、お茶の子さいさいに違いない。こういう時、ロバートみたいに兄弟が多い家庭は頼もしい。それぞれが何か一つのことに優れているのだから。ロバートも今回のプロジェクトで少し自信もついたみたいなので(古い電球を取り替える以上のことができるようになった!)、明日のお兄さんの働きに期待しよう。

なんだか、明るい光が見えてきた。

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