Thursday, May 24, 2007

グッドバイ・フォルスクリーク:進展





先週の月曜、玄関ドアのハンドルをピカピカに磨いてからまだ1週間ちょっとしかたっていないけれど、いくつかの展開が。

火曜日の不動産関係者向けのオープンハウスがうまくいき、土曜日の一般向けのオープンハウスでは、私たちの不動産エージェント曰く「回転ドア状態で、見学客がひっきりなしに入っていた」とのこと。エージェントの話しでは2件のオファーは確実に入りそうとのことで、私たちもホッと一息。我が家を早く、高い値段で売るために、この2ヶ月、家の修理に時間とお金を費やし、私たちのストレスレベルはかなり上がっていた。1週間後の火曜日に、すべてのオファーが来ることになっていた。ところが、暴風暴雨になった日曜日のバンクーバー、売ろうとしている我が家で雨漏り発生!2件のオファーに少し浮ついていたロバートと私はお先真っ暗状態に。家を売ろうとしてる時に雨漏りはないよ、、、ね。幸い、こういう時にエージェントは焦らず、落ち着いたアドバイスをしてくれる。さすがです。我が家はタウンハウスで、家の内部以外、つまり、屋根はタウンハウス全戸の共同のものなので修繕積み立て費がカバーしてくれる。なので、雨漏りも私たちの責任で修理するのではなく、修繕費から修理されることに。私たちは早速タウンハウスの理事会に連絡を入れ、屋根の修理を依頼。ただ、それは月曜日のことだったので、オファーを受け取ることになっていた翌日の修理は不可能。その代わり、オファーを受け取る際の法的な書類に、雨漏りのため屋根の修繕が必要だけど、それは修繕費から出される、という項目を挿入。私たちとしてはなんとかうまく逃げたいところ。これを理由に、オファー先から値切られることが十分考えられた。

そして火曜日、午後5時、ロバートは緊張の面持ちでオファーを受け取るために、エージェントと待ち合わせの場所へ。私は子供たちとお留守番。この時点で、3件のオファーがあるということを聞いていた。ただ、オファーの内容は、その場で相手方の代理人となるエージェントから聞くことになる。オファー1件につき10分くらいかかるとのことだったので、6時になってもロバートから電話が入らない私は少し心配になる。あー、値切られてるのかな、と思って。もちろん私たちも、我が家近辺の値段のリサーチはしていて、バブルのバンクーバーと言いながら、この半年くらいの売値はセラーが求めていた額より下回っていることを知っていた。私たちのエージェントは、あえて私たちが求める金額を低めに設定し、その値段につられていくつかのオファーが来るようにし、そこからbidding war、つまり競売に持ち込むのが彼女のストラテジーだったのだ。

ロバートから短い電話が入って、その後、すぐに帰宅。1件目のオファーは、私たちが求めた金額より少し下回る。多分、相手方は私たちの家を安値で買って、少しお金をかけて見栄えよくリフォームした後で高額で売ろうというのが狙いではないだろうかとのこと。不動産バブルのバンクーバーではこういう土地転がし的なことをして収入を得ている人々が多い。2件目のオファーはゲイのカップル。一人は建築士で、我が家を買って自分たちの好きなようにリフォームして落ち着いた暮らしをしたいというカップル。提示額も私たちの提示額よりかなり上回る。そして3件目のオファー。若いシングルの女性。なんと、ゲイカップルが提示した金額を大きく上回る提示額に、ロバートもエージェントも信じられないというか、笑いを抑えられないという状態だったらしい。この彼女は、オープンハウスで我が家に入るなり気に入って、どうしてもこの家が欲しいと思ったらしい。そして、2回目のオープンハウスで金銭面の助けをしてくれる母親を連れてきたとエージェントが言っていた。

こういうオファーの場合、金額を提示するのと一緒に相手方は条件として、例えば、「今住んでいる家が売れてお金の工面ができることが前提」とか、「雨漏りの修理が完全になされるものとして、そのための保証金としてセラーは今後1年間、○○○○ドルを受け取らない」とか、条件を出すのが一般的。なので、どのオファーを受け取るか決める際には、たとえ提示された金額が求めていた金額より低いとしても、条件のないオファーを受け取るのが賢明な時もある。ただ、今回のオファーは3件とも、no condition、つまり、そういう条件がまったくないクリーンなもので、なおかつ3件目のオファーは破格の値段。私たちとしてはもちろん、そのオファーを選んだわけだ。ロバートと私はゲイのカップルに好感を持ったけれど、そこはビジネスとして割り切らなければならない。

そういえば、3年前に友人が家を購入しようとした時に、セラーが求めていた金額より2万5千ドル(250万円くらい)高い額で、条件なしでオファーを出したけどゲットできなかったという話を聞いた時、私たちの誰もが信じられなかったことがあったけれど、今回はそれを軽く上回る金額で3件目のオファーは来たのだ。いやー、やっぱりバンクーバーはバブルだ。おそろしー。我が家をゲットした彼女はどうしてもあの家が欲しくて、リッチなママのファイナンシャルの手助けを頼んだのでしょう。そして自分があの家をゲットできるように、最初から破格の金額でのぞんだのでしょう。これもあっぱれなストラテジー。あの家には私たちがそうであったように、あの家をとても愛する人に住んでもらいたいと思っていたので、私としては満足。

こうして、我が家はあっけなく売れてしまい、ロバートと私はこの数ヶ月、どんだけストレスだったかを話しながらシャンペンで乾杯したわけです。すごく気に入った家だったけれど、最後にはきちんと売ることに神経をすり減らしてあの家を持ってること自体がストレスになってたよねとか言いながら。今後、売買契約書類にサインをして我が家の銀行口座にお金が入るまで半月ちょっと。それが終わると、本当に本当にグッドバイ・フォルスクリークとなる。

なんてことで、やっぱり少し悲しー。

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