Sunday, April 25, 2010

国境というもの

アメリカに陸路で渡る際には、移民審査を通過しなければなりません。私以外の家族全員はカナダ国籍を持っているので、彼らはパスポートの表示だけ。審査はハイウェイで使用料量を払うみたいなシステムで、車の中から審査官にパスポートを見せるようになっています。審査場では車に乗ったまま並び、自分たちの番が来るとまず車のナンバープレートが写真で撮られ、その後、審査官にパスポートを見せて、不可がなければアメリカ側に通されるようになっています。これは、カナダ人・アメリカ人の場合で、私は日本国籍を持つので、車から外に出て、家族全員を連れて移民局に出頭しなければなりません。




カナダ側で国境通過審査を待つ車の列

日本人、あるいは多国籍で例えばアメリカと友好国の人々は移民局でビザ申請書(飛行機の中で記入するあの緑色のやつ)に記入して6ドル払うと3ヶ月有効なアメリカ・ビジター・ビザがもらえます。イスラム圏や他の国の人々は、たとえ陸路でカナダからアメリカに行くとしても事前に最寄のアメリカ領事館でビザを取得しておかなければなりません。以前、カナダ在住20数年でマレーシア国籍を持つ友達が国境を渡ろうとした際、同時多発テロの少し後で、ビザを事前申請することを知らずに行ったため、国境を通過できずに戻されたことあり。どう見てもテロリストには見えない彼女。イスラム教信者が多いマレーシア国籍ということでだめでした。

移民局では容赦ない扱いを受けます。審査官の質問にきちんと受け答えできなければ、辛らつな嫌なことを言われることもあるし、つまり、そこでは審査官が言うことをすべて「ハイハイ」と聞かなければ、書類がきちんとあったとしても国境通過ができないわけです。もちろん審査官はピストルを腰につけているし、防弾チョッキを着てる人もいます。独特の空間。逃げることはできない。

日本人の私の場合は書類に記入し、両手の全指紋を押捺し、顔写真を撮られて手数料を払って国境通過が許されます。

国境通過はこの10年でかなり変わりました。昔はカナダ人とアメリカ人は運転免許書を移民審査官に見せれば通過できたのです。免許書がないとか未成年は出生証明書を見せればよかっただけ。それが今ではアメリカ人もカナダ人もパスポートを見せなければなりません。私も以前は指紋と顔写真は必要なかったのに。

国家安全保障というやつはどんどん厳しくなっていきます。国際線では全身スキャナー導入になるそうだし、そのうち、指紋だけじゃなく唾液も提供なんてことになるんじゃないだろうか。。。

しかしながら、さすがアメリカ~と思った一場面。私の顔写真を撮る時に移民審査官は「笑ってもいいよ。ハッピーなのがいいからね!」と。カナダでは考えられない発言。カナダのパスポートや身分証明となる顔写真では笑ったり歯を見せることが許されていません。多くのアメリカ人はフレンドリーで感じがいいということも書いておきます。レストランやお店でのサービスはアメリカは素晴らしい。

アメリカの街を歩きながら、個人としてのアメリカ人は善良な人が多いかもしれないのに、国家として、国民をコントロールしてるところが多すぎる、国民に知らせていないダークな政策が多すぎるなんてブツブツ思っていた私。



このラインを超えてカナダ側に戻るといつもホッとします。

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