Sunday, December 20, 2009

師走も、階段を転げ落ちるように走りすぎていきますね。

この時期、みんなカリカリしてきますねぇ。車を運転しててわけもなくクラクションをヒステリックに鳴らす人、モールの中や夜のパーティ帰りにケンカしてるカップル。昨日、トイザラスでおもちゃを選んでいたカップル。かなり雰囲気悪かったな。二人してケンカ腰でのおもちゃ選び。オー、コワ。たかがクリスマスプレゼントなのにね。いかんいかん。物質に暮らしを振り回されるようになったら、心の中から想像力と創造力がすっぽりなくなるのじゃないでしょうか。そうなると人生が辛くなる。どうして物を買い続けてるのに自分はハッピーじゃないんだ?って、どんどん心と体が空回り。痛いよそれ。物質は生活のための手段であって、物は人生を幸せにしてはくれません。

昨日はトイザラスの喧騒の後でバスで家に帰ると私もドッと疲れました。家の掃除やなんだかんだといつもやらなければならないことが山積みだけど、トモキとノアと一緒にソファに座って、二人が見ていたクリスマスの番組をうとうとしながら何気なく一緒に見てみました。私の両側にトモキとノアがブランケットを持って座り、体を寄り添ってきた二人。久しぶりにまったりとのんびりできました。子供たちも忙しくしてる母親より、そうやって体と体を寄り添える母親がいいんだよね。たまに罪悪感を感じます。あの二人、とくにないがしろにされて育ったんで。ごめんね、カ-チャン、体が一つしかないんだよぉ。

年末だからなんとなく書いてみたいと思うことがあります。15年くらい前に何かで読んで書きとめておいたこと。時々ふと考えること。

この世で起こるすべてのことには意味がある。すべては必然として起こっていて、かつては偶然として片づけていた出来事も本当は起こるべくして起きていた。必然とは何であろうか。それは人間が自由意思によって行動し、あたかも偶然としかいえない人、物、様々な出会いをきっかけにして自分をつくっていくこと、そしてそれを上から大きく見守ってくれる何か・・・・・・・

ここしばらく経験してないのですが、10年ちょっと前、しばらく会ってない人のことをふと考えてると、その人とばったり道を歩いてて出くわしたりということが1度や2度じゃないくらい続きました。

ロバートとまだ婚約もしてない頃、ある夏、彼の地元のオタワの家族に初めて会いに行くことになりました。「一緒に行ってみる?」と言われて、私は何も考えずに「行こうかな」と言ってしまったような気がします。

カナダの首都のオタワは何度も行ったことがあるけれど好きな街です。国会議事堂や国立博物館など見所もたくさん。ダウンタウンからほど近い橋を渡ると、そこはもうフランス語圏のケベック州。オタワの人達も英語とフランス語を自在に使い分けます。バンクーバーとはまったく雰囲気の違う街。一国の政治が集中しているはずなのに、淡々と日々が過ぎる街。

「オタワかぁ、昔のツレが住んでますねん。きっと会うに違いないますねんな」と言った私。何か感じるものがありました。

「オタワっていっても広いから、それはないんじゃないの?」と一笑にふすヤツ。

オタワへはバンクーバーから飛行機で5時間。たしか3泊4日くらいの旅になったと記憶している。私にしてみれば数年ぶりのオタワだったのに、行った所はロバートの親の家、兄弟の家だけ。買い物も観光もまったくなし。大家族の彼は、その時たまたまウィニペグのお姉さんやコネチカットに住んでいた弟も帰ってきていて、7人兄弟中6人が集合。珍しく家族が集まると昔話に花が咲きました。私はといえば、初めて会った人達の前で少し緊張しながら、ロバートのお母さんには当たり障りのないよう遠慮しながらロバートの横に座ってニコニコしていました。初めて会ったボーイフレンドの家族。それが一人や二人じゃない。姪っ子や甥っ子を入れると、何人いただろう。。。すごいところに来てしまったと少し後悔した私。

家族が大勢集まり、亡くなったお父さんの話に。第二次世界大戦に若くして出征し、終戦後、キングストンの大学で音楽を専攻していたお母さんと出会い恋愛結婚した二人です。男兄弟のほとんどがエンジニアの道を選んだのはお父さんの血筋のようです。

何か過去の家族の話題になり、お母さんが「そのことは、アール・ドレイクが覚えているはずよ」と言いました。その時、咄嗟に心の中で「アール・ドレイク…。バンクーバーで同姓同名の人を知ってる」と思った私。当時のダウンタウンの私のオフィスの横のオフィスで仕事をしていた初老の男性です。スーツは着ていてもネクタイは留めていなく、くだけた雰囲気のオッサン。私たちはお互いのことをよく知りもしないのに、フレンドリーに私にいつも「ハイ」と言ってくれました。私にしてみれば少し不思議なオッサンでした。先日ブログに登場したイーディス姐さんがある時、「アールはね、以前、駐中国カナダ大使をしていたすごい人なのよ」と言って以来、私はアールを見る目が変わってしまいました。

「アールって人物、誰?」と誰かが言いました。

「アールはね、あなた達のお父さんの従兄弟だった人。今はバンクーバーに住んでるわ。お父さんのお葬式以来会ってないけど。以前は外交官だったけど、もう退職したはずよ」とお母さん。

その時ハッとして、私は思わず「あっ、アール、私、知ってます。オフィスがすぐ近くなんです」と口にしていました。

お母さんは口をぽかんと開けて、「あなた、アール知ってるの?」と。相当驚かせてしまいました。

私は事情を話し、その2年後、お母さんとアールはバンクーバーで数十年ぶりの再会を果たしました。まさか、私とアールという赤の他人をつなぐものがあったとは夢にも思っていなかったオタワへの短い旅行。

本当に短い期間のオタワ滞在で、私は車での移動以外、ロバートの家族の家にしか行きませんでした。私にしてみればボーイフレンドの家族に会うというちょっとお堅い口実を消化し、バンクーバーへ帰るフライトに乗るため、オタワ空港に到着。自動ドアが開いて空港に足を踏み入れた途端、私が目にしたものは…。

やっぱり。。。こうなってるって何だかわかってたのよね、と思った私。

「ほら、アレが私の前のツレ」とロバートに、向こうのカウンターに立っている長身の男の人に目を向けました。

ロバートもロバートで動揺することもなく、一緒にいたお母さんとお兄さんに「ほら、あれが彼女のExなんだって」と大したことではないように言います。私とは初対面のお母さんは開いた口がふさがらなくなってしまいました。

ちょっと長くなってしまったので、身休さん風に今日はここまで。

次回をご期待ください!

2 comments:

Me said...

全ては、つながっているんです。
そして、結局は全てが調和して
また続いていくんです。
長く生きていて、様々な経験をしてきたからつくづくそう思います。
だから何があっても大丈夫と思える自分に
はくしゅ~!!

Ms. MacSaito said...

Meさん、

そうです、こうして続いていくんです。「ホラ、つながった」って、耳の向こうで聞こえてきませんか?第二編もお楽しみに。